南海トラフ地震が30年以内に発生する確率は60%から70%・マグニチュード8~9程度、
首都直下型地震が今後30年以内に発生する確率は70%・マグニチュード7程度、
と推定されているのはよく聞くお話ですよね。*¹
確率としては極めて高い方ですが、いまいち本当に起こるのか、
想像しづらく、備えに関しても楽観的に捉えまだ準備ができていない人が
多いのではないでしょうか。
しかしながら南海トラフ・首都直下型地震のように発生確率が示されている地震以外でも、2024年の年明けすぐに発生した「令和6年能登半島地震」のように、
実際に甚大な被害をもたらす地震は、突然襲ってくるのです。まさに予測不能。
ましてや予測までされている災害に対して、準備しない理由はないのではないでしょうか。明日は我が身。自分や遠くで暮らす家族が地震で辛い思いをするかもしれない、
そんな想像力を持って、一度、対策を考えてみても良いのではないでしょうか。
ということで今回は、地震が発生することを想定して、
事前にできることはなにか??
まとめましたのでイチ情報として参考にしていただけますと幸いです。
地震に備える 事前にできることって何?
目次.
①家の中の危険物の配置検討や固定、建物の耐震性の確認
②災害時の対応の計画を立てる
③災害保険の確認
④非常用品の準備
①家の中の危険物の配置検討や固定
阪神淡路大震災での死因の77%は窒息・圧死*²、能登半島地震では41%が圧死
東日本大震災の死因で溺死の次に多かったのは圧死・損壊死など*³でした。
つまり、地震が発生してから安全な場所へ逃げることができずにそのままなくなる方が多くを占めるということです。
家具や家電製品など、重いもの・倒れやすい危険物の配置を検討したり、固定したりすることで、
・倒れてきた家具による負傷を防ぐ⇒けがをしない・逃げる事ができる
・地震の振動や揺れによる家具の移動を防ぎ、通路や避難経路が確保される
⇒速やかに安全に避難ができる
・家具が転倒しないことで、家や家具などへの被害を軽減でき、また、周囲の環境への二次災害を防ぐことができる⇒地震後に生活環境をすみやかに元に戻すことができ、生活する上での不便さや金銭的負担、復興へのストレスが軽減できる。
まずは地震が発生しても、安全な場所へ避難できるような状態を常に作っておくことが最重要です。周りを見渡してみてください。あなたのお家は大丈夫でしょうか。
基本的には、
・倒れる危険のあるような背の高い・重い家具家電は置かない
・寝室には家具家電を置かない
・避難に使うであろう通路付近には家具家電を置かない
(倒れる向きを考えて配置する)
これが最重要です。そもそものリスクを取り除くためです。予想外の大地震が起こってしまった場合など、固定している家具家電が絶対動かないなんていう保証はないのです。
上記対策をしたうえで、どうしようもない家具家電に関しては、固定をすることを検討してください。家具の固定方法など、具体的にどうしたらよいか、別の記事からも確認してみてください。
②災害時の対応計画を立てる
災害時、1人暮らしの場合は、自分1人で判断しなければならない場面がでてくるでしょう。家族や同居人がいる場合は、大切な人のためにも正しい判断をしたいものです。
さて、今この瞬間に地震が襲ってきたとして、自分がまずどんな行動を取るか、できるだけリアルに想像してみてください。なにをすべきか、明確に想像できる人はどれくらいいるでしょうか。なんとなくは分かっているつもりでも、リアルに想像してみると何をしたら良いか、分からない方が多いのではないでしょうか。
ましてや実際に突然災害が襲ってきた場合は冷静な判断ができない可能性があります。
事前に計画を立て、具体的にイメージをもっていることで、実際の場面ではかなり役に立つことでしょう。
具体的に、事前に計画するべき点は以下の3点です。
a. 避難経路や避難場所について
b. 待ち合わせ場所について
c. 連絡方法について
それぞれ細かくみていきましょう。
a. 避難経路や避難場所について
検索にて、「あなたが暮らす市町村+指定緊急避難場所」で調べると、
避難先一覧が出てきますので、周囲の避難先を確認してください。
また、避難先までの経路を確認しておきましょう。
避難経路に関して、下記ポイントの場所では、倒壊・危険物の落下・津波・崖崩れの危険性や災害時に通れなくなる場所となる可能性が高いです。下記ポイントを避けた経路、避難先選びを心がけてください。
- 道幅の狭い道
- 倒れやすいもの(古い建物、ブロック塀、看板、自動販売機)
- ガラス張りのビル
- 河川
- 土砂災害危険区域
- がけ付近・落石のおそれがあるところ
マンションやアパートにお住まいの方は、マンションやアパート内での避難経路の確認もしておきましょう。
上記ポイントを見つけるためにも、実際に避難所までのルートを歩いて確認してみることが必要です。また、国土交通省が運用する、ハザードマップなどを活用して、危険箇所を把握することも有効です。(ハザードマップ:disaportal.gsi.go.jp)
b. 待ち合わせ場所について
家族や同居人、友達など大事な人と常に一緒にいることはありませんよね。
お父さんは会社、お母さんは家、子供は学校にいた場合に、ある程度落ち着いたところで安否を確認したいものです。どこに行けば大切な人に会えるか、事前に全員で決めておくと良いでしょう。
そもそも連絡手段がなかったり、ネットや電話が繋がらない可能性も大きいです。
どこにいるのか、大丈夫なのか、分からないまま探し回る間の不安は容易に想像できるでしょう。ここに行けば家族がいる、そんな希望をもって最初の数日を過ごすだけでもかなりストレスが軽減されるでしょう。
c. 連絡方法について
災害時には回線が混み、ネットや電話が使えない可能性が大きいです。また、スマホの充電がなくなった、スマホを置いてきてしまった、その状況で離れた家族の安否を確認するための方法をどうするのか、話し合っておきましょう。
災害時には回線が混みますので、緊急の連絡を優先させるためにも、緊急時以外には電話ではない方法で連絡を取ることが望ましいです。災害伝言サービスなどのサービスもありますので事前に使い方を確認しておきましょう。災害伝言サービスについては、毎月1日、15日に無料で体験ができますので、大切な人と使ってみても良いですね。
また、スマホが手元にない場合には公衆電話を使う、通信障害時のリスク分散として複数キャリアを拾える持ち運び可能なモバイルルーターを使用する、などの対応パターンをいくつか考えておくと安心です。
契約不要、月額料金なし、使わない月は0円で使う分だけ支払いのモバイルルーターもあるみたいです。普段使いもできそう。。。
③災害保険の確認
地震による被害をカバーするための、災害保険の加入を検討しましょう。
正直保険に関しては、価値観は人それぞれです。命さえ助かればよいので保険はいらない、どうにかなる、という人もいるのではないでしょうか?(正直私もそうです。笑)
しかし一度考えてほしいのは、もしもの場合、あなたにはしばらく身を寄せることができる場所があるか?ということです。実家や友達、親戚、会社の寮など、頼れる場所が思い浮かばない場合や、自分の資産が失われたときに大きなダメージがあるからいやだ、不安だ、と感じる場合は保険の加入を検討する事をおすすめします。
また、地震による原因での火災時、火災保険は適用されない場合もあるなど、え、そうなの?というような内容が多く見られる印象です。
すでに災害系の保険に加入済みの方も、災害系の保険を検討中の方も、地震保険や火災保険、その他災害に関する保険の補償範囲や条件を見直してみてはいかがでしょうか。
地震に関する保険の比較・見直し・見積もりができるサイトもあるみたいなので、より安く条件の良い保険がないか、自分がどんな保険が向いているか、相談してみても良いですね。
④非常用品の準備
災害時、救助の体制が整うまでには約3日かかるといわれており、最低でも3日分、できれば1週間分の備蓄が必要といわれています。津波や、広域での被害が発生した場合、交通網が麻痺することでしばらく支援物資の供給が途絶えた、また、情報の撹乱により、必要のないものが届き、肝心の必要なものが届かない、等の事態も過去の災害時には発生しています。各自で十分な備蓄が必要です。
具体的に必要なものに関していえば、以下のものが挙げられます。
飲み物・食べ物・食事用品
- 飲料水
- 非常食
- 割り箸
- 紙コップ
- 紙皿
- ラップ
- カセットコンロ
- ガスボンベ
- やかん、なべ
衛生用品
生活用品
- ラジオ
- 家族の連絡先が書かれたもの
- 着替え ズボン・シャツ・下着など
- 軍手
- スリッパ
- カイロ
- アルミ製防寒シート
- 懐中電灯
- モバイルバッテリー
- 給水袋
- 太陽光パネル/蓄電池
- 現金
- 防犯ブザー
すぐ手に取れるところに置いておいた方が良いもの
- ホイッスル
- シューズ
具体的にどれくらいの量が必要なの?と疑問の場合は、こちらの記事を参考に↓
ホームセンターでは手に入らないもの、重たいものは楽天ルームにまとめていますので、みてみてください!
特別な事情がある(例えば女性であれば生理用品、赤ちゃんがいればおむつ、持病がある方は薬、アレルギーがある場合にはアレルギー対応の食品、ペットがいる場合はペット用ご飯、など別途で必要なものもあります)など、様々なことを考慮すると必要 なものは挙げても挙げ切りません。
各自の事情に合わせ、必要なものを十分量用意しておきましょう。
また、家が安全である場合は上記のようなたくさんなものを置いておけますが、
家に戻れない状況になる場合もありますので、3日分・必要最低限のものをリュック等に詰めておく必要があります。
たくさんのものを用意すると、お金がかかる・もったいない気がする、など備蓄が進まない気持ちも分かります。
最近では、ローリングストック(回転備蓄)ということを耳にします。
これは日常食を備蓄しながら消費した分だけ補充しておく、という考え方です。
たまには非常食パーティなどを開いて防災意識を高め、あらたに備蓄用の食品を買い足す、または今日は一品作るのがめんどくさいので備蓄から1つ取り出し食卓にあげ、
減った分は買い足す、というような在り方であれば、気軽に始められるのではないでしょうか?
以上で地震に備えて準備できることの紹介を終わります。
その他にも皆さんが準備していることがあれば是非教えてください!
それぞれで必要なことの発信を行い、防災意識を高めていきましょう。
地震は突然やってきます。しかしながらいつかその日が来る可能性が高いことはみなさん分かっているはずです。「準備をしましょう」、何度もきいてきました。
すべては自己責任、あなたはどうしますか?
*1 国土交通省 国土交通白書2020 2 巨大地震のリスク